会社が破産したら借金は誰が負担するのか

文責:所長 弁護士 水野 高徳

最終更新日:2025年02月04日

 会社が破産すると、法人の資産が全て処分された上で法人格が消滅し、その法人が借金を支払う義務も無くなります。

 しかしこうなると、破産した会社から債権回収できなくなる債権者には不満が残るでしょう。
 場合によっては「会社がなくなったならば、社長が払うべき」などと考える債権者もいるかもしれません。

 会社が破産した後の借金の行方は、代表者の方からしても気になることだと思います。
 はたして会社破産後の借金は、誰かに支払義務が移ることがあるのでしょうか?

1 法人破産の効果

 はじめに、法人破産をするとどのような効果が発生するのかを改めて把握しておきましょう。

 

⑴ 法人の資産が全て処分される

 破産をすると、破産の対象となる法人の財産が裁判所によって全て処分されます。

 現金だけでなく、法人名義の不動産や自動車、営業に必要な機械などまで処分され、お金に換えられます。
 更に、形のない資産である保険や債権なども処分されます。

 処分・換価によって得られた代金は、破産手続によって債権者へ配当が行われます。

 

⑵ 法人格が消滅する

 破産手続の終了とともに、その法人の法人格は消滅します。
 法人格が消滅することで、その法人が持っていた権利も義務も同時に消滅します。

 つまりその法人は何の権利も持たない代わりに、全ての義務から解放されるのです。

 消滅した法人は、抱えていた負債を解決する義務がなくなります。借金があっても返済せずに済むのです。

 債権者としても、既に消滅した法人に返済の請求をできるわけがありませんので、会社が破産した場合、その会社の借金や負債に関する問題は解決するということになります。

 しかし、これは債権者にとって大きな損失です。法人から債権を回収できないということになるので、下手をすれば債権者まで連鎖的に破産する事態に陥りかねません。

2 破産した法人の借金の支払義務について

 では、法人が破産した場合、債権者はどの程度の弁済を、どのように受けることになるのでしょうか?

 

⑴ 原則:債権者は配当を受けるのみ

 破産手続が始まると、先述の通り、債権者は原則的に破産手続きの中で弁済を受けることになります。

 このときの弁済は、消滅する法人の資産を裁判所が売却して得た現金が原資です。
 それを各債権者の債権額に応じた比率に分けて配当します。

 そのため、消滅会社の資産が少ない場合や、自分以外に大口の債権者がいる場合は配当が減ってしまい、ほとんど配当を受けられないこともあります。

 

⑵ 例外:保証人や無限責任社員から支払ってもらう

 破産手続をして法人が消滅しても、その法人の債務を引き継いで支払う責任を負った人物が存在していることがあります。
 この場合、債権者はその人に請求して債権を回収することになります。

 

① 法人の(連帯)保証人

 法人の代表者などが法人の債務を保証、または連帯保証しているケースは多いです。
 その場合、連帯保証人は消滅した会社の債務を支払わなければなりません。

 規模の小さな会社の場合、会社の代表者が会社の債務を保証していることは特に多いでしょう。
 そのため破産する会社の代表者(保証人)は、会社を破産させた後に保証した債務を引き継ぐことを念頭に入れて行動しなければいけません。

② 無限責任社員

 多くの場合、破産する会社の関係者は、限られた範囲内でのみ責任を負えば済む「有限責任」を負っています。
 しかし「有限責任」とは違い、「無限責任」を負わなければならない「無限責任社員」という人もいます。

 無限責任社員は、会社の債務を会社の財産で完済できない場合に、自分の全財産を使って会社の債務を完済する責任を負います。

 しかし通常の株式会社には、無限責任社員が存在しません。
 無限責任社員が存在するのは、合名会社と合資会社という2種類の会社のみです。

 なお、ここで言う「社員」とは、社団の構成員や出資者などを意味する法律用語であり、株式会社で言えば株主を指します。
 一般の従業員にまで無限責任が及ぶわけではありません。

3 債務を引き継いだ個人が完済できない場合

 消滅会社の連帯保証人や無限責任社員に資力がなく、消滅会社の債務を完済できないことがあります。
 その場合、それらの人は自己破産しか現実的な選択肢がないことが多いです。

 法人の破産→代表者の破産となってしまう例は、枚挙に暇がありません。

 ただし、個人の破産は法人の破産と違い、全ての財産が処分されるわけではなく、当面の生活に必要な程度の財産は手元に残せます。
 破産により消滅する法人と違い、個人は破産しても消滅せずに生活する必要があります。 

 そのため、ある程度の財産は処分を免れるのです。

 個人の破産は借金生活のリセットであり、新生活へのリスタートとであると前向きに捉えてください。

4 法人と代表者の同時破産も弁護士にお任せを

 代表者と会社が一体となっているような規模の会社では、会社の破産と代表者などの破産の申立てが同時に行われるケースがほとんどと言ってもいいでしょう。

 会社の経営が苦しい方は、どうぞお早めに弁護士までご相談ください。弁護士が客観的に会社の財務状況をお調べして、破産しかないのか、それとも別の方法で解決できるのかを検討いたします。

 どうしても破産するしかないと判明した場合、法人の破産も個人の破産も、弁護士がまとめて手続きを代理いたします。

 まとめて処理した方が効率良く破産手続を進めることができるため、早く借金経営と苦しい生活を終わらせることができます。
 「経営が苦しい」「法人や個人の破産を考えている」という方は、ぜひ弁護士法人心までご連絡ください。

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